プラモと出刃包丁 <社長と模型 その2>

 

ワンダーフェスティバル2017、いよいよ来週末!

明和電機のアトリエも、追い込み作業で社長&工員さんの笑顔が消えはじめました。まにあうんかな・・・・・まにあわせな!

さて、そんな作業の合間にブログをちまちまと更新。社長のプラモやミニチュアに対する思いをお話する、第二話です。

第一話はこちら!

僕は昭和42年生まれ。一番最初の家の記憶は、幼稚園のときに住んでいた、赤穂市にあった工場&住居の家でした。

一階が工場で、父親の「明和電機」がそこで稼働していて、東芝の下請けで真空管のガラスなんかを切ってました。グラインダーがあったので、鉄の削れて焼けた匂いがしてました。作業してるおじさんやおばちゃんたちは、普通に工具や工作機なんかも使っていたので、「へええ、道具っておもしろいなあ・・」と小さいながらも思ってました。

工場には、油でよごれた部品を洗うためのシンナーの洗浄曹がありました。おおきな箱にたっぷりシンナーがはいっていて、独特のやばい香りがしてました。思春期だったら、ヤンキーのように吸っていたかもしれません。幼稚園児でよかった。

あるとき、そこに発泡スチロールを入れると「シュワシュワ~」をあっという間に溶けていくことを発見しました。

それがおもしろくて、梱包用の大きな発泡スチロールとかを見つけると、すぐさまシンナーの洗浄槽につっこみ、ガンガン溶かして遊んでました。なんだかウルトラマンで、倒された怪獣が溶けていくみたいで、おもしろかったのです。それを見つけた工場の工員さんに「なにしょんなら~っ!!」と怒られたなあ・・・。

幼稚園のときには、すでに、家の中に父親が買ったとおもわれるプラモデルがありました。覚えているのは、ゼンマイ歩行する「ガメラ」と、二式大型飛行艇のプラモ。

ガメラは歩行の安定が悪いので、父親が足に油粘土をつめて重心を下げてました。二式大型飛行艇は、もともと父親がその飛行艇を作った新明和工業(川西航空機)では働いていたので、買ったのだと思います。飛行艇の方は、作りかけがずっと箱の中にありました。子供ながらに、銃座や透明パーツの窓なんかをみながら、「こまけー!よくできてるー!」と関心してました。

さて、そんな幼稚園のとき、第一話でご紹介した近所のプラモ屋の「あけずみ」に、入り浸ってたわけですが、自分が買えるのは50円のガキ向けプラモだけでした。

あるとき、宇宙船のプラモを買ってきて、作ろうとしたら、プラモの周りにくっついている「ランナー」がやたら丈夫で、幼稚園児の力だと、なかなか本体からねじ切れません。

「これは、なんか他の方法をかんがえな、無理やな。」

と、幼稚園のちっさい脳味噌で考えた結論が、「道具をつかおう。」でした。一階が工場なので、ニッパーからドリルまで、なんでもあったんですが、さすがにおっちゃんたちの道具なので、勝手に使うのは気が引ける。

なんかないかな・・とあたりを見回すと、目の中に飛び込んできたのが、台所にあった「出刃包丁」でした。

「これや!これをつこうたら、一発で切れるわ!」

と、その出刃包丁を幼稚園児のちっこい手でつかみ、おもむろにプラモのランナーをがしがしと力まかせに切り始めました。客観的にその風景は、

「3秒後にはぜったいに指を切る、おさなご」

という、世のお母様方が貧血でぶったおれことまちがいなしの光景だったと思います。

案の上、3秒後には「スパン!」と左手の人差し指を出刃包丁で、ざっくりと切り、鮮血が吹き出したのでした。

ぎゃああああ!という絶叫に近い泣き声に、おばあちゃんが「どうしたんなら!」と飛んできました。そこには血まみれになった幼稚園児。

「なしたまあ!(赤穂弁で ”なんということだ” )」

とおばあちゃんもたまげましたが、さすが戦中派、すぐさま洗面所から洗面器をもってきて、したたりおちる血を洗面器で受け、ぐっと関節をおさえて止血し、赤チンと絆創膏で傷口をぐるぐる巻きにしました。(いま思えば、すぐに病院に行き、縫うはずですが、そこが戦中派)

「なんで出刃包丁やねん!あぶないやろが!」

と心配半分で怒られましたが、

「だって作りたかったんやもん・・」

アホな答えしかできまんでした。とぐじゅぐじゅに泣きながら。

 

あれから45年。いまではあらゆる工具や工作機械を指を切らずに操作できるようになりました。でも心のどこかにあのときに痛みや恐怖心が残っています。結構それが大事で、この恐怖心があるから、怪我をしないのだと思います。

左指の傷を見ながら、ときどき今でもそう思います。

 

 

 

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プラモほしさに親の財布から100円盗む <社長と模型 その1>

2月19日、明和電機がワンダーフェスティバルに出展します。

これを記念しまして、社長の”模型への思い”を、つづっていこうと思います。今回はその第一弾、幼少のときのプラモデルの思い出をご紹介します。

僕は小学校の6年生まで、兵庫県の赤穂市に住んでいました。城下町の小さな街でしたが、一軒、プラモデル屋さんがありました。名前が「あけずみ」。店の正面にはショーケースがあり、店長のおじさんが作ったと思われるプラモがならぶという、典型的な海洋堂インスパイヤ系の模型ショップでした。

幼稚園のときから、おこずかいをもらうと、そのプラモ屋に行き、当時は50円の小さなプラモデルをわくわくしながら買っていました。

お店には気難しい店長のおじさんの他にネコがいて、プラモの匂いと、ネコの匂いがまじった、独特の魅力的な香りが漂っていました。

おじさんはとにかく気難しい人で、長居している客がいると「買わないなら帰れ」と平気でいう人でした。しかし、プラモにかける情熱は熱く、あるとき兄ちゃんとタミヤのジオラマ談義になったときなど、小学生の僕らにタミヤの分厚いカタログをタダでくれることもありました。

さて。

小学校3年生のときのこと。一週間のおこずかいが210円と決まっていた当時、駄菓子屋でおかし屋を買って残った100円硬貨をにぎって「あけずみ」にいきました。店内を物色していると、何やらいままで見慣れないサイズのプラモの箱がありました。「なんだこりゃああ!すげえええ!」と、一発で心をわしずかみにされました。

それがこれです。

 

 

吉野正裕さんのページから引用

 

 

・・・ダサい!今見ると悶絶ダサい!

しかし、当時の僕にはこれがイカすロボットに見えたのでした。まず、プラモメーカー「青島」がオリジナルで生み出した、TVでは放映されていないキャラクターという珍しさ、かつ、合体ロボットなのに、一体が100円、つまり「頭」「胴体」「手」「足」の、4体の完全合体を全部そろえても、400円という安さに、衝撃を受けたのでした。

当時、コンバトラーVの超合金の合体ロボが、全部そろえると7000円以上していたので、これはもう、「値段のケタが、ひとつ少ないやんけ!」というほどの激安感だったのです。

100円しかもっていなかったので、おもわず、「頭のパーツ」を買って帰りました。そして、兄ちゃんに「すごかろう!これすごかろう!」と見せると、兄ちゃんも「すごい!すごい!」と興奮したのでした。

しかし。

頭のパーツだけあっても、やはり物足りません。ディアゴスティーニ・システムと同じく、どうしても全体をそろえたい欲望がガキの胸中にうずまきます。まんまと青島の商売にハマったわけですが、残念ながら、お小遣いは0円。

「・・・・・・これは・・もう・・・親の財布から100円しっけいするしかない。」

ここで小学3年生の僕は、生まれてはじめて「ねこばば」という悪の道に手を染めることを決意しました。でも、親の財布からそのまま盗んだら、すぐにバレてしまう。何かいい方法はないか・・と、小学3年生のしみったれた脳で考え出したのが、

「偶然100円を見つけた作戦」

でした。その手法は以下になります。

・・・・・

①台所の引き出しにある、親のがま口の財布から、100円をこっそり抜き出す。

②100円を本棚と床のすきまに隠す。

③兄ちゃんを呼ぶ。

④なんか自分でギャグを言って、笑い転げるて床に倒れる

⑤「あああ!床のすきまに100円があるよ!兄ちゃん!」と発見する。

⑥100円にぎって「あけずみ」へゴー

・・・・・

兄ちゃんを発見時の目撃者として巻き込むという、かなり呼息な作戦でしたが、見つけたときは兄ちゃんも「ほんまやああ!」とまじで驚いていたのでした。

さっそく「あけずみ」に走り、「胴体のパーツ」を買ってきて組み立てる。このキット、接着剤を使わない、現在のガンプラみたいなシステムだったので、組立もあっという間にできる。すると、今度は「手のパーツ」が欲しくなる。

そこで上記の①から⑥を、次は「テレビの下に100円を隠す」ことで行いました。2回だから兄ちゃんも「・・お、おお、また見つかったんか。」と首をかしげてました。

最終的には「足のパーツ」も欲しくなり、次は「机の下に100円を隠す」ことを行いました。つまり「偶然100円を見つけた作戦」を、3回繰り返しました。「あけずみ」のおじさんも、一日になんども買いにくる僕に「またきたんか」という顔をしていました。兄ちゃんも最後は「・・おまえ、ネコババしたやろう」という細い目で、僕をプラモ屋へと送り出したのでした。

親の財布から300円を盗んだことは、まず、おばあちゃんにバレました。夕飯の買い物をしにでかけたとき、財布のお金が減ってることに気がついたのです。そして家にもどると、部屋の中では、合体ロボットで楽しそうに遊ぶ僕。

「おまえか」

とおばあちゃんのまなざしがロックオンしました。すぐさま「のんちゅん(ぼくの幼少の呼び名)、ちょっとおいで」と、家の奥の、裏庭の入り口に呼び出されました。「おまはん、財布からお金とったやろ」と言われ、全身がピキーーン!と硬直しました。「偶然100円」が「必然100円」に変わった瞬間です。

「なんで盗ったんなら。ゆうてみ」

と言われ、

「・・・ほしかったんやもん」

とアホな回答しかできませんでした。結局そこから母親にも伝わり、あとでこっぴどく怒られました。

とにかく今見れば、ダサいとしか言いようがないプラモデルですが、オモチャには魔法があるようで、本当にそのときは欲しくて欲しくてしかたがなったのです。不思議ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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明和電機の「マスプロ芸術」

明和電機の会社名には「電機」という字がついています。これは「電気でうごく機械」のことで、その名のとおり明和電機はいろんな「電気でうごく機械」を作っています。

ふつうの電機メーカーは、人の役にたつ「電気でうごく機械」を作っています。ところが明和電機はそうではなく、人の役にたたない「電気でうごく機械」を作っていて、「ナンセンスマシーン」と呼んでいます。いままで200種類くらい作ってきましたが、ほとんど役に立たないものばかり

さらにいうと、ふつうの電機メーカーは作った機械を人に売って、お金を得ていますが、明和電機は開発をした「ナンセンスマシーン」を売りません。ぜんぶ会社に保管しています。これは会社として考えると、ちょっと不思議です。「人の役にたたないもの」はみんな欲しがりませんし、そもそも明和電機は、作った機械を売ってないのです。これではお金が入ってきません。

どうして会社が倒産しないんでしょう? そこには秘密があります。その秘密のキーワードが

「マスプロ芸術」

です。この言葉を説明するために、まずは明和電機という会社のしくみを部分ごとにわけて見てみましょう。

 

■明和電機の「コア部」

明和電機の創作の出発点には、明和電機社長・土佐信道がいます。この土佐信道が、製品のアイデアを考えてそれを作り、かつ、会社を経営しています。これは日本にたくさんある、製造業の中小企業の社長さんとおなじです。たとえばバネ屋の社長さんは、毎日新しいバネのしくみを考えてつくり、それを売っています。彼は「エンジニア」でもあり、「経営者」でもあります。

明和電機社長の土佐信道も同じです。 しかし、土佐信道が毎日、根源的に考えているのは、バネ屋の社長さんのような製品のしくみではなく、「芸術(アート)」なのです。自分の内面にわきあがってくる「不可解」のイメージをとらえようと悶々とし、日々、「イメージスケッチ」を描いたりしています。

そして、それを捕えると、途中から「エンジニア」へと思考がバトンタッチされます。画家であれば、そこで絵筆や絵具やキャンバスを使って自分の中の「不可解」のイメージを自分の外に取り出そうとしますが、土佐信道は「機械」を作ることで「不可解」のイメージをカタチにしようとします。そこからはスケッチではなく、「図面」を描きはじめます。

土佐信道のここまでのプロセスが明和電機のすべての核となりますので、これを「コア部」と呼んでいます。

 

■明和電機の「開発部」

機械をつくるために大切なもの。それは「環境」です。材料や工具、工作機器、そして優秀な技術者がいる環境がないと、よい機械はつくれません。それが明和電機においては「アトリ工」と呼ばれている品川にある工場になります。そこには材料と工作機械がそろっていて、「工員」とよばれている技術スタッフが、日々、社長とともに「ナンセンスマシーン」の開発をおこなっています。

ここで開発されたナンセンスマシーンは、現在「魚器(NAKI)シリーズ」「ツクバシリーズ」「EDELWEISSシリース」「ボイスメカニクスシリーズ」の4つのカテゴリーがあります。

製品の詳細はこちら

この製品をもとにさまざまな事業を展開していくので、ひとつの「資源」ととらえることができます。これを「芸術資源」と呼んでいます。 アトリエにおける「芸術資源」の開発を行うプロセスを「開発部」と呼んでいます。

「コア部」「開発部」までが、明和電機における「芸術」を生み出すプロセスです。

 

■ふたつの「マスプロ」

明和電機は「芸術資源」そのものは売らず、それを二次展開してお金にかえています。その方法として、ふたつの「マスプロ」を行っています。ひとつが大量生産の商品をつくる「マスプロダクト」、もうひとつが人に見せて興業収入をえる「マスプロモーション」です。これが明和電機の事業収益のひみつです。

「マスプロダクト(大量生産)」では、ナンセンスマシーンを開発したノウハウを応用して「オモチャ」などの量産商品を作っています。「マスプロダクト」は明和電機だけで行えません。そこで量産を行う外部企業とコラボレーションをして商品を開発します。

「マスプロモーション」は日本語でいうと「興業」になります。大きく2つの場所があり、ひとつが美術館などで見せる「展覧会」、もうひとつがライブハウスやコンサートホールで行われる「ライブパフォーマンス」です。また最近では、ナンセンスマシーンを作るときの思考やプロセスを、実際に体験してもらう「ワークショップ」や「講演会」なども、一種の興業として人気になっています。

 

このように明和電機は、芸術を出発点して「不可解」から「ナンセンス」を生み出し、そこかナンセンスマシーンを作り、それを「マスプロダクト」「マスプロモーション」というふたつの「マスプロ」に落とし込むことで収益をあげ、次のナンセンスマシーンの開発資金を得て活動を持続させています。

 

次のページでは、さらに詳しく明和電機の「マスプロ芸術」 について解説します。

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ヒゲ博士ライブを10倍楽しむ方法

2016年09月08日15時56分50秒

 

ども!ヒゲ博士じゃ。

いよいよ今週末、「ヒゲ博士とナンセンス☆マシーン」の東京公演じゃの。そこでじゃ。この公演をよりたのしむためのノウハウを、わしが君たちに伝えるからの。しっかり頭にたたきこんでくれえの。いわゆる一夜漬けじゃ!

 

■ヒゲ博士とは?

そもそも、みんな「ヒゲ博士」を理解しとるかの?わっかりやすく言えば

「明和電機の社長が、あたまがおかしくなったのが、ヒゲ博士」

じゃ。図式でかけば、

ヒゲ博士≒明和電機社長

じゃ。美術史的にいえば、これじゃな。

モナリザとひげ

 

いわずもがな、右がヒゲ博士じゃ。

このヒゲ博士の使命のひとつにな、「明和電機のナンセンスマシーンの面白さを、子供にみせつける」というのがある。とにかく、最近のこどもは、スマホとゲームのせいで脳みそが「2D」化して「チョイス」の能力ばかり伸びとるから、そうではなく、「3D」と「メイク」もあるぞ!、ということを伝えたいんじゃ。

ではな、ここであらためてライブの登場人物を紹介しよう

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 ・ヒゲ博士

わしじゃ。日々いろんな発明をしておる。頭の上のランプは、ナイスなアイデアが浮かんだときに光るんじゃ。このランプは脳みそのつながっておっての、あまりにヒラメきすぎて暴走するワシの脳のエネルギーを、外に出すしくみでもあるんじゃ。いわゆるクーラーにおける室外機みたいなもんじゃ。

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 ボール星人

ヒゲ博士の助手じゃ。ボール星人Aと、ボール星人Bのふたりおるんじゃ。彼らが地球にきたとき、空気があわんかったので、わしが台所で使うボールで作ったヘルメットをかぶせたんじゃ。そしてヒゲからエネルギーを供給しておる。つなみにこのひげは「HIGE」と書くが、これは

「Hyper International Global Energy」

の頭文字をとったものじゃ。わかりやすくいえば「すごいエネルギー」じゃ。英語的にあっとるかは不安じゃ。

ヒゲ博士の舞台に出てくるのは以上の3人じゃ。これ以上出ると、コストがかかるんじゃ。

 

・自動演奏楽器

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ライブの演奏はぜんぶ明和電機の自動演奏楽器じゃ。自動ベース「フジベース」、自動ドラム「音源Ⅲ」、自動ピアニカ「ピアメカ」、自動木琴「マリンカ」。あとはパンチ君とレンダちゃんというダンサーロボットもおるぞ。これらも重要な登場キャラクターじゃな。

 

・ナンセンスマシーン

タイトルに「ナンセンスマシーン」と入ってるように、ステージにはいろんなナンセンスな機械が登場するぞ。「バウガン」「トリウォーカー」「ボーンバー」「トマタン」「クウキポーン」「メカピーコック」・・などなど。名前を見ただけじゃ、なんだかわからんじゃろ? わしもそう思う。会場で確認してくれ。

今回登場する新製品のひとつに「プチプチヘッド」というのがある。梱包材をつぶして「ぶつぶつ言う人」を作ってみたかったんじゃが・・・いまだにわしもこれがなんなのか、ようわからん。あつかいに困っとるんじゃ。まあ、本番までには、どうにかするがの・・。

■ヒラメキ袋

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ヒゲ博士の会場にいくとな、受付で「ヒラメキ袋」が、もれなく全員にもらえる。無料じゃ。これはな、博士と明和電機の工員が、泣きながら袋詰めしたもんじゃ。500袋ぐらいあったのう。たいへんじゃった・・・。

このなかには、いろんなアイデアのもとがはいっておる。

・プッチンスカット(川上産業(株)さんからご提供じゃ)

・犬みたいな音が出る笛

・ピロピロ笛

・トマタンの旗

 

ライブの中で、博士がこのアイデアのもとから作った、いろんな発明を紹介する。そして、それを使って、博士が歌ったり、踊ったりするんじゃ。そのときに、このアイテムを使って、いっしょにもりあがるじゃ。笛とか入ってるから、音を出したり、声を出したりしてええぞ。これを

「キンプリ式」

というんじゃ。意味がわかんひとは、ぐぐってくれ。

注意点はな、博士がしゃべってるときには、話を聞いてくれ。そうしないと会場が「カオス」になるからの。

■公式応援グッズ

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「ヒラメキ袋」のほかに、会場で音を出していい、明和電機のオモチャがある。ワークショップで作ったものや、CUBEさんが発売しているものじゃ。これらは、会場で音を出してもいいぞ。歌をうたってるときとかに、いっしょに演奏してくれ。

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ヒゲ博士の会場では、バウガンとかも売ってるから、ひとより目立ちたい方は買って組み立てて、ライブで吹いてくれ。 (注: 組み立てに、3時間かかります)

■歌とダンス

とにかくな、このライブは「メカニカル・ミュージカル」というぐらいでな、博士がナンセンスマシーンとともに、歌ったり踊ったりするんじゃ。

 

 

こんな感じじゃ。一緒に踊ったり歌ったりしたいひとは、YOUTUBEで「ヒゲ博士」で検索したら、いっぱい動画があるから、予習しといてくれ。(公演は撮影・録音OKなのじゃ!)

最後に歌う、「ヒゲ博士とオモチャ箱」は、名曲じゃ。これだけでも覚えていくと、本番で楽しめるぞ。歌詞を書いておこう。

 

世界はいつも 君のプランを待ってる

未来を作ろう ヒゲ博士とオモチャ箱

 

まっ白い画用紙に ペンでらくがきしよう

あーだこーだなやまずに まずはパッと書いてみよう

なんか見えたらワンツースリー パーツさがしにいこう

トンカチもってトンテンカン 切ったはったしてみよう

 

そうさときどきつまづいて 泣くこともある

だけど ピンチはチャンスへの 出口だよ

 

世界はいつも 君のプランをまってる

未来を作ろう ヒゲ博士とオモチャ箱

 

 

・・・ええ歌じゃのう。

9月10日の公演の時には、この歌もはいってるCD「ヒゲ博士とオモチャ箱」が初売りされるからの。すでにApple Musicとかでは配信がはじまっとるが、「社長のサインが入ったCDが欲しい!」という方は、現場で購入してくれ。サイン書くからの。

明和電機STORESでも売ってます! > こちら!

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このCDは、マリモレコーズさんのスタジオで、楽器の一発録音をしたんじゃ。ふつう、レコーディングは、ドラムやギターなどパートごとに録音していくが、明和電機の楽器は「自動演奏」なのでなんども同じ演奏を正確にできるし、全体がいっきになるときのライブ感を記録したいから、一発録音をしたんじゃ。

しかもハイレゾに対応した解像度で撮ったから、バネのびょーんをという音まで撮れてるぞ。

ヒゲ博士の歌うバージョンもいいが、明和電機の楽器が好きな人は、ぜひインストバージョンも聞いてみてくれ。目の前で楽器が鳴ってるきがするぞい。

■ジョイフル明和

CruQjnPVUAA4Jvkヒゲ博士の公演の会場から歩いて3分のところに、明和電機のアトリエがある。そこで同時開催で「ジョイフル明和」が行われておるから、見に行ってくれ。

これは明和電機のファンのみなさんの二次創作や工作を発表している展示会じゃ。明和電機がマニアックだから、ファンのみなさんもマニアック。「よく作ったなあ・・・」という逸品が大集合しとるから見てみてね。

 

というわけで、9月10日の「ヒゲ博士とナンセンスマシーン」を10倍楽しむ方法の解説じゃった。みんな下準備をして来場してくれ。

まってるぞーい!

 

「ヒゲ博士とナンセンス☆マシーン」

<東京公演>

■開催日時:2016年9月10日(土)

第一公演・・・開場13:30 開演14:00

第二公演・・・開場16:30 開演17:00

■場所:スクエア荏原 ひらつかホール

(東京都品川区荏原4-5-28)

<熊本公演>

■イベント名:「ヒゲ博士とナンセンス★マシーン」

■開催日時:2016年9月24日(土)

第一公演・・・開場13:30 開演14:00

第二公演・・・開場16:30 開演17:00

■場所:熊本市男女共同参画センター「はあもにい」 多目的ホール

(〒860-0862 熊本市中央区黒髪3丁目3番10号)

FBページ・・・https://www.facebook.com/higehakase2016.kumamoto/

★各回公演終了後にはサイン会を開催!

■チケット情報

明和電機STORES ・・・https://maywadenki.stores.jp/  ※社長のサインつきオリジナルチケットを販売!詳しくはこちらから
イベンティファイ ・・・https://www.funity.jp/hige/

e+(イープラス)      ・・・http://eplus.jp/

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重版出来!で失態

TBSドラマ「重版出来!」に出演しました。ライバル漫画雑誌エンペラーの副編集長の役です。

これまで、映画には「ちょい役」でなんどか出演したことがありました。「腑抜けども、悲しみの愛をみせろ」をのぞくと、どれも10秒ほどの出演で、あきらかにエンドロールの「明和電機」で、笑いをとるため、というポジションでした。自分でも「10秒俳優」と呼んでました。

今回ドラマの話をいただいたとき、まじですか?ドラマなんてやったことないですよ?と思いましたが「また笑いをとるためのチョイ役だろう」と思い、「いいですよ~」とかるーく引き受けました。

一話分の台本をいただき、衣装合わせをしたところ、演じる「見坊我無(けんぼうがむ)」という役がかなり胡散臭いキャラであることが判明。前々から悪役をやってみたいなー、インテリやくざとかいいなー、と思ってたので、「おいしいチョイ役やな。今回は15秒ぐらいか?」とほくそえみました。

ドラマのスタッフのみなさんも、縦縞ストライプスーツの胡散臭い僕を見て「よいですね~」と笑ってました。よし、ドラマでも、一発笑わせて退散や!と思いましたが、帰り際にスタッフの方が「ドラマの後半、オダギリジョーさんのライバルとしてどんどん重要な役になりますからねー」と真剣な顔でボソリ。

・・・・え? チョイ役じゃないの?

まじかああああああ!!!

まてまてまて、ドラマやったことないし、電気屋だし、トンカツ弁当の福神漬けのつもりが、トンカツやん!

とにかく、まわりのみなさんの足手まといにならぬよう、セリフを覚え、「こ、こんな感じかな?」と真夜中の明和電機の工場で、鏡を見ながら役を考え、一応、自分なりのイメージは固めてみました。

しかし、そんな付け焼き刃が、現場で通用するわけがありません。

ここで、ドラマの撮影の進行をご説明すると、まず、役者さんは本番までに、完璧にそのシーンの動きや表情を作ってきます。練習はなし。で、いきなり「ドライ」とよばれる、撮影無しのシーンを演技。それを見て、演出監督、カメラマンさんが、もっとも効果的な構図や流れを検討します。

そして次にカメラリハーサルで、問題がないかチェック。この流れの中で、演出監督さんが、役者さんに演技のアドバイスをします。

そのあと、いよいよ本番の撮影。早いときは、ここまでの流れのが、1シーン30分ぐらいで進みます。映画の現場しかみたことがない僕には、なんというスピード感!やはり毎週放送されるドラマは、この現場でスピーディーに判断し、結果を作っていくのが大切なんだと、感心いたしました。

で、オダギリジョーさんといきなり対面するシーンの撮影があったわけです。

現場に入って、メイクをして、いきなり「ドライ」でオダギリジョーさんの前にたたされるわけですよ。これは恐怖です。

例えるならば、映画「グラディエーター」で、古代ローマの闘技場にほうりこまれたやせっぽちの平民が、重い扉が開かれ、だだっ広い戦いの場に転びながらつき出され、ふと顔をあげたら目の前にどでかいライオンがいた・・・ぐらいのびびり具合です。(注:グラディエーターにはそんなシーンありません)

もうね、頭は真っ白です。だって30cm前にオダギリジョーさんのどえらいカッコいい顔があるんですよ。「ボトラッテ!」言われたら失禁ですよ。

しかし、容赦なく監督さんが「ドライいきます。よーーい。スタあああト!」。次の瞬間、僕の口からは

 

「あうあうあうあうあうあうあ」

 

という音しか出てませんでした。アシカみたいに。

スタッフのみなさんも、オダギリジョーさんも、顔面に「ま じ で す か」という表情が現れ、それがさらに僕の緊張感をあおり、ますます「あうあうあう」とアシカ化していきました。

そんな僕の退化を止めるべく、監督さんが「・・・先日はどうも」と、僕のセリフをぼそり。それを聞いてまわりのスタッフもはっとして「・・・先日はどうも」。さらにそれに合わせて僕が「先日はどうも」。次に監督さんが「お買い求め、ありがとうございます」。それに合わせてスタッフさん。そして僕。こんな調子で、現場のみなさんのシュプレヒコールにあわせて、すべてのセリフを言ったのでした。

オダギリジョーさんもウィンブルドンで素人とペア組まされたテニスプレーヤーみたいな不安の表情をされてるし・・・・・みじめで泣きたくなりました。

「あかん!これは迷惑かけとる!」と思い、なんとかカメラリハ前の20分ほどの休憩で、自分の動きとセリフを整理、カメラリハの合間になんとか建て直しました。

普段、明和電機のステージで、世界各地でライブをやって来ましたが、緊張感をしたことなどほとんどありません。それは、その舞台にある機械も演出もすべて自分が作ったものだし、もしトラブルがあってン「アドリブ」で演出に変えることができるからです。

しかしドラマの現場では、「トラブル」も「アドリブ」もNGです。このことが僕にとって経験したことのない緊張感にさせます。

しかしその一方で、演技で動きを決めていく感覚が、ちょうどロボットにシーケンサーでプログラムしていくことや、音楽の打ち込みにも似ていて面白かったです。

とにかく現場の皆様に助けていただいてのドラマ出演でした。なんといっても贅沢だったのが、黒木華さん、オダギリジョーさん、滝藤賢一さん、最上もがさんらの生の演技が目の前にあり「本物のドラマがかぶりつきで見れてる!3Dより飛び出してる!」ということでした。

滝藤賢一さんとは、撮影の合間にゆかいな話もしていただき、撮影が現場でこころの柔軟体操もできて、たいへん助かりました。ありがとうございます!

重版出来!は、自分が出演したことを抜きにしても、クリエーターとして、マネージメントとはなにか、作品制作とはなにかを考えさせられるドラマで引きこまれます。毎回、テレビの前で正座して見てます。

いよいよ来週は最終回。みなさまも、ぜひごらんください!

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さて、6月10日から大阪グランフロントにて「明和電機ナンセンスマシーン展」が開催されます。(本業はこちら)。ことしの2月、上海の美術館McaMで開催された、明和電機としての過去最大級の展覧会の凱旋展になります。皆様、どうぞご来場ください!

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■展覧会名 : 「明和電機 ナンセンスマシーン展 in 大阪」

■会期:2016年6月10日(金)~6月26日(日)

11:00~19:00

※金曜日、土曜日は20:30まで開館。

※入館は閉館の30分前まで。

■会場:グランフロント大阪 ナレッジキャピタル EVENT Lab.

〒530-0011 大阪府大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪北館 B1F
■チケット
前売り・・・一般・大学生1000円、中高生600円、小学生・・・300円

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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上海 社長の致命的なミス

前回は、「社長のトラブルがまわりに伝搬していく」ことについて書きましたが、

今回はそんな社長が上海展で犯した、致命的なミスについてご説明いたしましょう。

 

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今回の上海展は、敷地面積が3000平米もあるため、新作を含む明和電機のすべての製品を運びました。当然、撤収作業もどえらいことになります。重たい木箱で85箱。それに3日間かけて分解した製品を、こつこつと詰めていきます。

ひとことで言うなら、「果てしない引越し」ですね。社長も工員さんも、黙々と行います。

「ああ、早くごはんの時間にならないかなあ・・」と願いながら、自分が作ったものの奴隷となって、ひたすら梱包していくわけです。

箱詰め作業が嫌いなわけではありません。むしろ大好き。コンビニでよく売ってる「100円ショップのアイテムで整理整頓」とかのムック本を見ても、「あまい!あますぎるわああ!」と床にたたきつけるぐらい、箱詰め整理が好きです。

でも、展覧会の梱包は度が過ぎてる・・・

とにかく三日間かけて、工員さんとなんとか箱詰めをし、荷物確認のチェックを終えたのが三日目の夜の九時。そこから大型コンテナのトラックとフォークリフトが到着し、中国人の屈強なアニキたちが、わらわらと降りてきました。

中国語をしゃべる、屈強な男たちの集団を見ると、なぜか「少林寺」を思い出します。その少林寺のアニキたちが

「◎×+=◎ーー!!!」

と、僕らにはまったくわからない合図の声とともに、木箱をがんがん詰め込みはじめました。

しかし、ただ詰め込めばいいというのではない。85箱を木箱を、うまく奥からつめていかないと、全部入らない。「巨大な3Dテトリス」をやってるようなものです。明和電機の工員さんも、うまく入るよう、「イーっ アールっ サンっ スー!」と、少林寺のアニキに交じって、中国語で声をかけながら、つめていきました。

そんな作業がはじまって3時間。ようやく夜中の12時を越えたあたりで、ギリギリすべての木箱がコンテナ車に詰め込まれました。少林寺のアニキたちも、工員さんも、おもわず歓声と拍手です。日中合作梱包大作の完成です。

そんな目頭が熱くなるようなフィナーレを、僕も「うんうん」とうなずきながら見てたわけです。そしたら、その少林寺のアニキの中のいかにも「塾長」みたいな魁な男が、つかつかと僕の方へよってきて、

「◎×+=◎ーー!」

とまったくわからない中国語で、僕にへんなパーツを手渡ししました。

20160421211646

それが、この上図にあるようなものです。

文字が書いた白いプラスチックと、金属でできた二つの円錐型のAパーツとBパーツが、細いプラスチックでつながっている。どう見ても、その細いプラスチックを切断して合体させるようにできている。

「なんすか・・・これは?」

手のひらの中の、なぞのパーツを見ながら、悩みました。少林寺からのプレゼントだろうか?いや、それにしては未来的すぎる。少林寺からだったら梵字とか書いてるだろう。でもこれは数字だ。なんだこれは・・・・・ううううん・・・・。

悩んだあげく、僕がくだした結論は、

「前の展覧会で、誰かが忘れていったもの」

でした。それを塾長が「これ、おまえのだろう?」と持ってきたにちがいないと。であるならば、僕らの展示では使ってないものなので、これは ”ゴミ” にちがいない。ゴミと決まれば、心の中に、むらむらと、このパーツを合体させてみたい!と欲望がわきました。だって、それが「合体させてみてください!」っていう形をしてるんだもの。しくみ大好きエンジニアなら、だれだってAパーツとBパーツをつなげてみたくなりますよ。

そこで、なんの迷いもなく、AパーツとBパーツをつなげている細いプラスチックをポキッと追って、カチリと二つのパーツを合体させました。みごとにぴったりはまり、快感!!!いえーい!!

20160421211644

ばっちり組みあうパーツだな、はめたらぜんぜん抜けないなああ・・としげしげと見てたら、ふと、周りが静かになってるのに気がつきました。えっ?と思い、まわりを見渡すと、少林寺のアニキたち全員(12名ほど)が、無言でぼくを見てる。その顔はあきらかに「おまえは・・・なんこてとを・・・してくれたんだ」という表情で、見てる。そしてしばしの沈黙のあと、

「◎×+=◎ーー!!!」

「◎×+=◎ーー!!!」

「◎×+=◎ーー!!!」

「◎×+=◎ーー!!!」

「◎×+=◎ーー!!!」

と、その場にいた少林寺のアニキたちが大声で騒ぎ始めた。どこかにいきなり電話をかけてるアニキもいる。頭をかかえて座り込んでいるアニキもいる。さっきの塾長も、誰かとケンカをはじめている。

「なんだ?なにがおこんったんだ?」とおたおたしていると、美術館のスタッフが青ざめた表情で寄ってきて、こう教えてくださいました。

「社長さん。それは、中国政府が発行した、カギです。すべての荷物をコンテナに積み込んだあと、その扉にロックをかけるための、この世に一本しかない、大切な”杭”なのです。」

まじかかああああああ!わしはその大事な”杭”を、から打ちしてしもたんかあああああ!!!

まわりの大騒ぎでの中に茫然と立ち尽くしていると、その美術館スタッフの方が、ため息をつきながら言いました。

「社長さん。ここにあなたがいても、何も前には進みません。とりあえず、今夜やホテルにおもどりください。これから、鍵の再発行ができるかどうか、政府にかけあいます。ただ、これだけは覚えておいてください。鍵が再発行できないと、明和電機の全製品は、中国から出荷できないということを・・・。」

(つづく)

 

「明和電機事業報告ショー 2016」

◎日時:2016年4月22日(金)  開場18:30/ 開演19:00

◎場所:スクエア荏原ひらつかホール (荏原平塚総合区民会館)
(〒142-0063品川区荏原4-5-28)
※東急目黒線 武蔵小山 徒歩10分 /東急池上線 戸越銀座 徒歩10分

◎入場料金(全席指定):前売¥2,500 / 当日¥3,000
 ☆チケット一般発売中☆

◎チケット取り扱い
チケットよしもと

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TEL:0570-550-100

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■明和電機ジャーナル 11号

明和電機の上海での展覧会、「明和電機 超常識機械(ナンセンスマシーン)展を

知りたい方はこちら!展覧会のすべてを収めた「明和電機ジャーナル11号」

 

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呪いの伝染

僕は、海外に旅行にいくと、かならずトラブルにあいます。僕の中で「トラベル」と「トラブル」はまったくおなじ意味です。

明和電機は上海で大型の展覧会を行っていたんですが、その期間中もさまざなトラブルがありました。

まず、設営で上海へ向かうとき、羽田空港で財布をすられました。空港のキャッシュディスペンサーでお金を引き出すところから、目をつけられてたようです。いざ、飛行機に乗ろうというところで、財布がないことに気がつきました。

「ゼロからのスタート」。

無一文でいきなり人生ゲームが始まってしもた気分でしたね。おまけに、上海の空港についたとたん、スマホを地面に落として破壊。中国という異国で、「お金」と「情報」を失った不安たるや・・・目隠しをされてライオンのオリに落とされたコアラの気分でした。

さらには上海は、40年ぶりの寒波で、マイナス4度。雪降ってるんですよ。雪が。「金と情報」を失ったコアラには、これは骨身にしみる寒さでしたね。

さらには、ごはん食べてたら、奥歯が「ガリ!」っていきなり抜けました。「金と情報と奥歯」を失ったコアラは、なにを食べればいいのでしょう?

さらには、日本へ立つ最終日、ホテルに戻ったら、スズメが一羽、スーツケースの横に死んでました。・・・あんた、どっから入ったん?「金と情報と奥歯」を失ったコアラの主食は、スズメってことですか?

そんな大混乱の設営作業を終えて、日本にいったん帰国しました。

で、先週、今度は展覧会の片付けのため、再び上海へいったわけです。「お金」と「情報」、そして歯医者で治療した「奥歯」を携えて。

ところがですね、まったくトラブルがない。あまりにトラブルがないので、不安になるくらいトラブルがない。「やった!これは僕が持っていた“呪い”が落ちたんだ!」と大喜びしてたんです。

そしたら、いつもは沈着冷静な新人工員のHくんがいきなり展覧会場で「ケータイがない!ケータイがない!」と騒ぎ始めました。鞄の中をコアラみたいにほじくっている。結局は、ケータイを会場の別な場所に置いてたことがわかって、一見落着。「いやあ、工員H、びっくりさせるなよー、あっはははー」とみんなで笑いました。

しかしですね、その日、上海の繁華街にみんなで観光に出かけたんですが、そこでもまた、新人工員のHくんが、こんどは「財布がない!財布がない!」と騒ぎ始めた。自分のコートの中のポケットをコアラみたいにほじくってる。

結局、財布は、ホテルに置いてきたことが判明して一件落着だったんです。でも、いつもは冷静で、人からもらった食べものには毒消しをふりかけて食べる新人工員のHくんが、一日のうちに、そのような異常な行動を起こすのは、どーもおかしい。

まあ、一度ならうっかりさんですが、二回も連続してあるとなると、これはもう

 

「呪い」

 

です。

さらには「呪い」は、これでは終わりません。帰国のために空港について、いざ搭乗口にならんで乗ろうとした瞬間、今度はベテラン工員のNくんが「財布がない!財布がない!」と騒ぎ始めたんですね。

「こ、こ、これは・・・・呪いの伝染や!」

社長の不幸が、どんどん広がってる。もう、頭の中がくらくらしましたね。まるでゾンビ映画のように、この空港にいる人たち全員がそのうち「財布がない~ 財布がない~」と、天に腕を伸ばしてながら、叫びだすのではないか?とさえ思いました。

すぐにベテラン工員のNくん、各方面に電話で確認したところ、展覧会場に忘れてきたことが判明し、なんとか一件落着だったんですが・・・もう、いろいろ自分が怖くなる上海の旅でした。

(そんな社長ですが、全くノートラブルだったかというと・・実はやってはいけない大ミスを犯してしまいました。それについては、次回にて!)

 

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社長、ステージから落下

先週の土曜日は、大阪にて「こたつ会議」というのに出席しました。

こたつに入って「おもしろい」についてトークする、という内容だったんですが、その参加者が「明和電機、中野信子さん、ピーターフランクルさん、飛鷹全法さん」という4人だったですね。

この4人の肩書だけ書くと「電気屋、脳科学者、数学者(&大道芸)、お坊さん」です。

なんすか、このメンツ。

ハリウッド映画あたりだと、地球に隕石がぶつかって、へんなウィルスが広がって、みんなゾンビになった街に、この4人が取り残されて、いかに知恵と勇気で脱出するか?

みたいな、メンツですよ。

僕はいちおうトークショーの座長だったので、まとめ役(=戦隊モノのレッド)だったんですが、どーみても全員、その分野のレッドだったので、こりゃ無理だと開き直って、のっけからビールを頼んで、飲みながら話をしました。

さすがに、みなさん、道を究めた方なので、トークは大変面白かったのです。僕は芸術とエンジニアという創造活動をやってますので、「いかに面白いヒラメキが頭の中にうかぶのか」という点に興味があり、、強引ではありますが、そちらを筋をもどしつつ進行いたしました。

数式という絶対的なツールを使い、紙とペンによる徹底的な思考で真理を見つける数学者、一方、悟りという自己探求から生まれた教祖の境地に修行によって近づこうとする僧侶、そしてそれらを脳内活動としてモデル化し、再現・実証する脳科学者。そしてそれにチャチャをいれる電気屋。あーおもしろい。

しかし。50分のトークが終わり、頼んだビールも飲みほして退席するところで、事件はおきました。

「社長、ステージより落下」。

酔ってないつもりが、酔ってたんでしょうね。ステージの外にも「床がある」となぜか思い込み、おもいっきりふみはずして、ドスンと落ちました。悲鳴を上げる最前席の女性観客、顔面蒼白でかけよる会場スタッフ、インカム越し「救急車をよべ!」と絶叫する舞台監督(これはウソ)。

激痛の膝をさわりながら、同時に僕の脳裏に浮かんだことば、

「お い し い」

でした。「ハプニングごち!」と思い、その状況をキープするために、立ち上がらず、四つん這いになって楽屋に退出しました。

「しめしめ、いまごろみんな”#社長落下”とかハッシュタグたてて盛り上がってるにちがいない」と思い、自分のスマートフォンをポケットから取り出したところで・・・・驚愕しました。

「へ、へ、への字に曲がっとる!」

まるで西部劇で胸にいれた1ペニーコインが、宿敵からの心臓への弾丸を受け止めたかのように、ポケットに入れていたスマホは、落下の全体重の衝撃を受けとめていたのでした。画面はザクザクに割れ、充電池も破裂寸前に折れていました。

フリックをした指先が大根おろし状態で血だらけになりそうなスマホを見て、ふと本日のトークショーで言ってなかった重要なことを思い出しました。それは、「現実は理想どおりにいかない。故障したり、壊れたりする。だから面白い」。ということです。

ちかごろは、画像処理や情報操作で、いくらでもきれいなプレゼンができるようになりました。若い女子の自撮り技術から、キックスターターのプレゼン動画まで、「うまい!はったりうまい!」と、思わずうなる技術をみかけます。

それは面白いけれど、でも、それを工学や工業生産でやられると、タイタニックの悲劇のように人が死ぬわけです。ハリウッド映画なら問題ないけれど。逆にいえば、そういう故障や事故がある分野だから、知恵をしぼり、設計を考え、妥協のないモノつくりをします。そこが面白い。

この「物質の不確定さに、どえらい左右される」という世界は、数学者、脳科学者、宗教家の世界観には、ちょっと登場しないことかもなー、とあとで思いました。

 

 

 

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◎場所:スクエア荏原ひらつかホール (荏原平塚総合区民会館)
(〒142-0063品川区荏原4-5-28)
※東急目黒線 武蔵小山 徒歩10分 /東急池上線 戸越銀座 徒歩10分

◎入場料金(全席指定):前売¥2,500 / 当日¥3,000
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スマホの電池

スマホの電池がなくなり、途方にくれることがよくある。すごくある。いろいろ対策しているにもかかわらず、である。

まずやった対策は、バッテリーの容量を増やすこと。初代ギャラクシーノートという、iPhoneユーザーが見るとかならず「でか」と言われるスマホを使っているのだが、その内臓バッテリーを2倍にする「巨大電池」をアマゾンで見つけたので組み込んだ。

おかげでスマホの厚みも2倍。なんだかプラモデルの戦車を耳に当ててるぐらいのサイズになった。iPhoneユーザーには「でかでか」と言われるが、これだとまる1日スマホを使っても電池が無くならない。

もうひとつの対策は充電用のUSBケーブルを家のあちこちに仕込んだ。100円ショップに巻き取り式のUSBケーブルが売られてたので、10個ほど買い込み、寝室、台所、勉強机、ノートPCと、あらゆる場所に充電スポットを作った。

これだけやってるのに、電池が無くなるのである。なぜか?

原因はふたつある。ひとつは「充電ケーブルに差すのを忘れる」もうひとつは「電池がなくなりそうでも、大丈夫だいじょうぶとタカをくくる」。

これは致命的だ。砂漠にオアシスがあっても、そこに行こうとしないのだから。

これはたぶんスマホへの「いじめ」だと思う。エンジニアはしばしば機械をいじめる。耐久性を知りたいからだ。壊れたらなおす。そしてそこが強くなる。これだ。

なので、子ライオンを谷に突き落とす父性のように、無意識に僕はスマホをいじめてる。まだいけるやろ、と。

このマシンに対する、まだいけるやろ、で、僕は何度これまで車がガス欠になり、JAFのお世話になったことか。

根っこがこれだとしかたがない。スマホの充電マークがフルになってると、なに余裕かましとんねん、と目を細めてしまうこの性分をどうにかしないと、いつまでたっても、電池切れで困り続けるだろう。

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白いシャツ

近くに高層ビルが二本、ぼんぼんと建ってから、ベランダに強風が吹くようになった。

洗濯物を干してたら、大好きだった大切な白いシャツがいつのまにか風で飛ばされて行方不明になっていた。

最初は気づかず、アトリエにおいてきたのかなと思った。でも冷静に考えて、そんなローテーションはない。認めなくてはならず、消沈。

と、思ってたら10日ほどたって、近くの道路脇で、発見された。汚れまくりで。

「泥まみれになって発見」と書きたいところだが、様子がちがってた。場所は高速道路の高架下の交通量の多い道。たくさんのタイヤの磨耗と排気ガスとアスファルトの削りカスがたまった場所。それらが混じると「黒」になる。

白いシャツは黒く汚れていた。

とにかくまずは見つかったことがうれしかった。ひどい汚れなので落ちるか心配だったが、入浴ついでにお風呂場でゴシゴシ洗うことにした。

せっけんを塗って、ひどくこびりついた場所から手揉み洗い。襟や袖口など、末端ほど黒い。一度洗ってすすいだら、つけていた洗面器の水は真っ黒。また洗ってすすぎを五回ほどくりかえしたら、無事にもとの白いシャツに戻り、安心した。

かたくしぼってハンガーにかけて干しなおす。湿ったシャツは五月の空気を吸って冷たかった。

よかったよかった。

おかえりなさい。

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