本で作った楽器「本琴」のできるまで

本で楽器を作りました。本で作った木琴みたいなものだから「本琴」です。発想の出発点は古本を見たとき、「古本ってこんなに大きい素材なのに、ブックオフで100円か・・・」と思ったのがきっかけでした。本はもともと木材からできてます。100円で買える大きな古本と同じ重さの木材を買おうとすると、けっこうお金がいる。だったら、この古本を工作に使えたら、けっこうコストパフォーマンスがいいぞ!と思ったんですね。

 

 

 

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そんなことを思ってたとき、科学未来館での新楽器の展示のお話がきました。そこでまたもやピーン!とヒラめいた。「木琴という楽器は木材からできている。だったら本も加工したら木琴みたいに音がでるんじゃない?」。

 

knocker

 

miditap

 

 

 

ちょうど明和電機には「ノッカー(Knocker)」という電気でノックをするデバイスと、「ミディタップ(MIDI-TAP)」というMIDI信号で100Vをコントロールしてノッカーを動かすデバイスを開発して持っていました。これと本を組み合わせれば、自動で本を叩く楽器ができる!

 

そこでブックオフで文庫本の古本を買ってきて、ポンと叩いてました。ところが!全然いい音が出ないんですね。やっぱり木材と違って密度がちがうのでしょう。「ホフ!」みたいな鈍い音しかしない。

 

 

 

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「こりゃあ本をがちがちに固めなきゃだめだろうな・・・」と思い、洗濯のりを買ってきて固めることにしました。タッパーの中の水に洗濯のりを溶かして本を沈めました。1日漬けとけばノリが染み込むだろう。そんでもって乾かせば、カチカチの本ができるだろう!と思ったんです。

 

が。

 

一日たって見てみると、全然染み込んでない。こりゃだめだと、3日置いといたんですが、それでもだめ。結局2週間漬けてみましたが、まわりが染み込むけど、中心はぜんぜんだめ。

 

「うーん、ノリは分子量が大きいから無理か。だったら、砂糖はどうだろう。よく本にこぼしたジュースがパリパリになってることあるじゃん!」

 

 

 

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そこで砂糖水につけてみました。「煮た方がさらに染み込むにちがいない」と思い、本を砂糖水でぐつぐつ煮てみました。・・・なんの料理だ?これは? 期待どおりに、砂糖は本にしっかり染み込んでくれました。あとは乾かすだけ・・・と一日干しておきました。

   

が。

   

一日たっても、本はベトベト。そっか、すぐには乾かんかもな、と思い三日ほっといたんですが、やっぱりベトベト。おまけに一部乾いたところを叩いてみると、ぱきーん!とヒビが入る。よおく考えたらそりゃそうです。角砂糖の大きなやつをバチで叩けば割れるに決まってる。つまり木琴のような楽器にはなれない!

ぎゃー!とここでアイデアが行き詰った。どうやったら、本を加工して木琴のようないい音が出るんだろう・・・困った・・・〆切はせまってるし。意気消沈していたときに、ふと目についたオライリー社の本を叩いて見た。すると!

 

「ポポポポーン!」

 

いい音がするではないか!ごめん、ポポポポーンは言い過ぎだった。調子に乗りすぎた。

「ポン!」です。ものすごいいい音で「ポン!」といい音がするではないか! 

 

 

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後で調べてみてわかったんですが、日本の本の紙の質は重めでしっとりしてる。これだと叩いても音が鳴らない。ところがアメリカのペーパーバックのような軽い紙の本は、たたくととてもいい音が出るんですね。最初に日本の文庫本を叩いてしまったから、音を出すのに苦労してたんです。

やった!と思い、洋書の古本を買いに白金台のブックオフへ。みなさん知ってますか?白金台のブックオフ。カフェスペースがあり、洋書がずらりとならび、めっちゃおしゃれなんですよねー。あのブックオフ独特のオタク臭のすっぱい匂いがしない、「奇跡の古本屋」なんですわ、白金台ブックオフ。そんで洋書の古本もたっぷりある。

いろいろ本をたたいて調べていたら、僕の大好きなオライリー社のシリーズが、大きさ、厚みのバリエーションがあって、とてもいい。表紙のデザインもイカス!これはもうオライリーで決まりでしょう!とポンポンたたきまくっていたら、

 

 

 

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「お客様、売り物なのでやめてください」

 

と、美人な店員さん(=さすが白金台)に怒られました。・・・・申し訳ありません!がっつり購入させていただきます!ということで15冊買ってアトリエにもどりました。

アトリエで本を固定するアルミ部品を作って本を固定し、ノッカーを取り付け、MIDIで音楽を打ち込み、いよいよスイッチオーン!すると!

 

「ポポポポーン!」

 

・・・すいませんまた同じ表現をしてしまいました。現実の音は、冒頭のYOUTUBE動画のような感じ。いい音なんですよ~これが。びっくりです。

 

暇な人はぜひお試しください。自動演奏じゃなくても、木琴のバチで叩いても面白いと思います。そのうち「世界本琴協会」とかできて、「モントレー本琴フェスティバル」とか開催されないかな?

現物は6月1日より、日本科学未来館に展示されます。見に来てね!   

本で作った楽器「本琴」のできるまで” への10件のコメント

  1. いい音がするのは知っていたけど…
    本気で楽器にしてしまう情熱に、忘れかけていた
    ときめきを思い出すことができました(^∀^)ノ

  2. え〜相変わらず、おもろいですね。
    娘曰く、「蛙の合唱みたい」。
    そういわれてみると、本がみんなしてぽこぽこ口あけているような気もしてきました。

  3. 書店で働いているので物凄くタブーな行為なのですが、来店する小さなお客様がよく叩いてイマス…(^_^;)
    その背徳を味わいたいです。

  4. (木琴)あるのだから(本琴)も作ろうと言う発想はすごいですねこの前のブログの浣腸液が甘いのもすごいのにやっぱ社長もあのCM影響してますか?

  5. 6歳次男のりのり。
    南国の音がしますねぇ。
    夏はスイカをたたいてほしいです。
    すぐ割れちゃいそうだけど。
    本の砂糖煮も見てみたかった。
    浣腸の味見といい、甘いものがお好きなんですね。
    私の使っているゲル状の化粧品も甘く、猫が舐めたがります。

  6. 社長の、発想から実体化までをつなぐ『シナプス』にはいつも感服いたします。
    ときに本琴はなんと読むのでしょうか?
    『ほんきん』?『ぽんきん』?
    私は『ぶっきん』と読んでしまいました。なぜか。

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