12月32日?ありえないカレンダーと”人間の過ち”について。

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「12月31日」という日時は存在します。しかし「12月32日」はおかしい。おかしいのだけれど、Googleで検索すると、667000件もヒットするんですね。おそらく多くの人が「打ち間違い」をしているからでしょう。あとは自動カレンダーが間違って記述したりとか。

へー、おもしろいなーと思い、もっとヒット数が少ないであろう「13月32日」を打ち込んで検索してみた。すると、なんと362000件もヒットする。えー!まじで!それかひたすらありえない「××月××日」を入力して検索しまくり。めざすはヒット数がゼロのありえない日時。

「63月33日・・・一件ひっかかった!おしい!ダメだああ!」
「63月34日・・・また一件か!くっそう!」

やってて、なんだか南極点を目指す、アムンセンの気分になってきました。スコットに先を越されるな!・・・と。そしてやっと見つけました。「63月36日、Googleヒット数ゼロ!」。

これが”おいしい”のは、「みつけた!63月36日」とツイッターでつぶやくと、それが世界で初めてのウェブでの発言だから、そのとたん「63月36日」と検索すると、自分の発言だけがヒットすることですね。だから、つぶやきましたよ、「63月36日は、土佐信道の日である。」と。

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検索すると、他にもこの「ヒット数がゼロのありえない日時」があることがわかってきました。それがですね、けっこう出現する頻度にむらがある。それがなんだか素数の出現のムラのようで面白くなってきた。もちろん、ウェブという記述される世界に人間、または人間が作ったプログラムによる「打ち間違い」なので、素数のような自然界の不可思議ではなく、おもいっきいり人為的なものなのだけど、それだからこそ、なんだか「人間の過ちの法則性」が記録されているようで面白くなってきた。

そこで、ツイッターで、

”だれか「00月00日」から「99月99日」までの、Googleのヒット件数の分布をグラフ化するプログラム、書いてくれないかな・・・・。見たい!なんか素数分布みたいなロマンを感じる。(人間の打ち間違いにおける)。”

とつぶやいたところ、なんと実現してくれた方がいたんですね。ありがたい!
 さんが、全部ではありませんが、00月00日から6月99日までのヒット数を検索してくれました。>>こちら!!

更にそれをですね、    さんがわかりやすくグラフにしてくれました。ありがとう!それがこちら。

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うーん。不思議な図ですね。
なんで2月52日だけ、なんで一万件以上ヒットしてるんだろう・・・
なんで6月40日から48日にかけて、連続して出現してるんだろう・・・

だんだんリーマン予想にはまる数学者のような気分になってきた。やばい!このままだとリーマン予想の伝説のように、僕も気が狂って、謎の死をとげてしまうかもしれない!

んなわけはないですが、ちょっと興味深いですね。

だれか学生さん、卒論のテーマでどうですか?「ウェブにおける”ありえない日時”のヒット数から考察する、人間の過ちの法則性について」。

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本で作った楽器「本琴」のできるまで

本で楽器を作りました。本で作った木琴みたいなものだから「本琴」です。発想の出発点は古本を見たとき、「古本ってこんなに大きい素材なのに、ブックオフで100円か・・・」と思ったのがきっかけでした。本はもともと木材からできてます。100円で買える大きな古本と同じ重さの木材を買おうとすると、けっこうお金がいる。だったら、この古本を工作に使えたら、けっこうコストパフォーマンスがいいぞ!と思ったんですね。

 

 

 

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そんなことを思ってたとき、科学未来館での新楽器の展示のお話がきました。そこでまたもやピーン!とヒラめいた。「木琴という楽器は木材からできている。だったら本も加工したら木琴みたいに音がでるんじゃない?」。

 

knocker

 

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ちょうど明和電機には「ノッカー(Knocker)」という電気でノックをするデバイスと、「ミディタップ(MIDI-TAP)」というMIDI信号で100Vをコントロールしてノッカーを動かすデバイスを開発して持っていました。これと本を組み合わせれば、自動で本を叩く楽器ができる!

 

そこでブックオフで文庫本の古本を買ってきて、ポンと叩いてました。ところが!全然いい音が出ないんですね。やっぱり木材と違って密度がちがうのでしょう。「ホフ!」みたいな鈍い音しかしない。

 

 

 

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「こりゃあ本をがちがちに固めなきゃだめだろうな・・・」と思い、洗濯のりを買ってきて固めることにしました。タッパーの中の水に洗濯のりを溶かして本を沈めました。1日漬けとけばノリが染み込むだろう。そんでもって乾かせば、カチカチの本ができるだろう!と思ったんです。

 

が。

 

一日たって見てみると、全然染み込んでない。こりゃだめだと、3日置いといたんですが、それでもだめ。結局2週間漬けてみましたが、まわりが染み込むけど、中心はぜんぜんだめ。

 

「うーん、ノリは分子量が大きいから無理か。だったら、砂糖はどうだろう。よく本にこぼしたジュースがパリパリになってることあるじゃん!」

 

 

 

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そこで砂糖水につけてみました。「煮た方がさらに染み込むにちがいない」と思い、本を砂糖水でぐつぐつ煮てみました。・・・なんの料理だ?これは? 期待どおりに、砂糖は本にしっかり染み込んでくれました。あとは乾かすだけ・・・と一日干しておきました。

   

が。

   

一日たっても、本はベトベト。そっか、すぐには乾かんかもな、と思い三日ほっといたんですが、やっぱりベトベト。おまけに一部乾いたところを叩いてみると、ぱきーん!とヒビが入る。よおく考えたらそりゃそうです。角砂糖の大きなやつをバチで叩けば割れるに決まってる。つまり木琴のような楽器にはなれない!

ぎゃー!とここでアイデアが行き詰った。どうやったら、本を加工して木琴のようないい音が出るんだろう・・・困った・・・〆切はせまってるし。意気消沈していたときに、ふと目についたオライリー社の本を叩いて見た。すると!

 

「ポポポポーン!」

 

いい音がするではないか!ごめん、ポポポポーンは言い過ぎだった。調子に乗りすぎた。

「ポン!」です。ものすごいいい音で「ポン!」といい音がするではないか! 

 

 

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後で調べてみてわかったんですが、日本の本の紙の質は重めでしっとりしてる。これだと叩いても音が鳴らない。ところがアメリカのペーパーバックのような軽い紙の本は、たたくととてもいい音が出るんですね。最初に日本の文庫本を叩いてしまったから、音を出すのに苦労してたんです。

やった!と思い、洋書の古本を買いに白金台のブックオフへ。みなさん知ってますか?白金台のブックオフ。カフェスペースがあり、洋書がずらりとならび、めっちゃおしゃれなんですよねー。あのブックオフ独特のオタク臭のすっぱい匂いがしない、「奇跡の古本屋」なんですわ、白金台ブックオフ。そんで洋書の古本もたっぷりある。

いろいろ本をたたいて調べていたら、僕の大好きなオライリー社のシリーズが、大きさ、厚みのバリエーションがあって、とてもいい。表紙のデザインもイカス!これはもうオライリーで決まりでしょう!とポンポンたたきまくっていたら、

 

 

 

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「お客様、売り物なのでやめてください」

 

と、美人な店員さん(=さすが白金台)に怒られました。・・・・申し訳ありません!がっつり購入させていただきます!ということで15冊買ってアトリエにもどりました。

アトリエで本を固定するアルミ部品を作って本を固定し、ノッカーを取り付け、MIDIで音楽を打ち込み、いよいよスイッチオーン!すると!

 

「ポポポポーン!」

 

・・・すいませんまた同じ表現をしてしまいました。現実の音は、冒頭のYOUTUBE動画のような感じ。いい音なんですよ~これが。びっくりです。

 

暇な人はぜひお試しください。自動演奏じゃなくても、木琴のバチで叩いても面白いと思います。そのうち「世界本琴協会」とかできて、「モントレー本琴フェスティバル」とか開催されないかな?

現物は6月1日より、日本科学未来館に展示されます。見に来てね!   

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