究極の楽器ってなんだろう

ヤマハの「Y2プロジェクト」の発表会に行ってきました。「Y2プロジェクト」とは、ヤマハがこれまでつちかってきた、デジタルな楽器の技術を、ネットの世界に持ち込んで、新しいことやりましょう!ビジネスにしましょう!というプロジェクトです。

分かりやすい例が、ヤマハが開発したボーカロイドを応用した「初音ミク」を、サーバの中において、ケータイなどの端末から歌を歌わせるシステム。つまりケータイの中にはなーんもなくて、初音ミクという「楽器」はネットの向こう側にある。それを演奏する、ということです。

クラウドコンピューティングと「DTM」が合体したようなもので、なんでしょう、無理やりネーミングすると「クラウド トップ ミュージック」、略して「CTM」でしょうか?

初音ミクに限らず、デジタルミュージックの基本システムであるVSTも、全部ネットの向こう側に作ってしまいましょう、というプロジェクトもありました。

インターネットがでてきて、みんながホームページを作り始めたとき、僕は

「ああ、とうとう人類は、インターネットの中で、巨大な一冊の書物を記述しはじめたのだ
な・・・」

と思ったんですが、「クラウド トップ ミュージック」の話を聞いていると、

「ああ、とうとう人類は、、インターネットの中で、巨大なひとつの楽器を作りはじめたのだな・・・」

と思いました。その楽器はあらゆる音を奏で、あらゆるエフェクトができ、そしてあらゆる奏者たちの演奏を覚えている・・・・・。そういう究極の楽器が、ネットの中にできあがりつつあると。

ただし、それはデジタルミュージックの中のお話。
一方で、それとはまったく別の流れとして、「楽器のガジェット化」というものもあります。近年の電子技術の進歩で、発音体がどんどん小さく、高性能で、安くできるようになってきた。このおかげで、小型で高性能な楽器がたくさん生まれている。

オタマトーンはこの「楽器のガジェット化」の流れから生まれたものです。

一神教のような神の楽器に向かうのか?
多神教のような神の楽器に進むのか?

いずれにしても、面白い時代になってきたなー、と思います。

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