サーカスの人生と自分の人生。どこが違うのだろうか。

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三日かかる作業を二日で終え、今日はオフ日。運がいいことに、ベスーンの小さな町にサーカスがきているらしく、これはラッキー!とODAくんと見に行きました。

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街を流れる川の近くの駐車場に来てます!サーカスの一座が。なんでもフランスで一番有名なサーカスとか。街じゅうの親子連れが大集合してました。

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これが宣伝カー。昼間はこの車が口上をしながら街を走り回ってました。この得たいのしれない造形。こんなのが街にやってきたら、子供なら一発で好奇心が爆発でしょう。

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あちこちに描かれているサーカスのグラフィック。あげあげです。

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中に入ると、円形の広い空間。中央には砂が巻かれたステージ。「おお!すごい!」と眺めていたら、4歳ぐらいの制服を着たかわいい子供が、僕の持っているチケットを見せろというジェスチャーをしてる。え?なに?君はサーカスの一座の子供か?チケットを見たいのか?と渡して見ると、いきなりスタスタと歩き始めた。なんと、席まで誘導してくれてるのである。この4歳のちびっ子が!

もーね。心の中で号泣ですよ。この演出で。ちびっ子は席を見つけると、ここに座れと小さな手でジェスチャー。あかん、なまじヨーロッパの子供は天使みたいにかわいすぎるから、余計泣ける。ほんと日本の4歳児のトイザらスで絶叫してるのとはえらい違いです。いきなりサーカスの芸事の深さを見せつけれました。

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冒頭の出しものはいきなり猛獣ショー。吠えまくるライオン、トラをムチで操って、いろんな芸をさせる猛獣使い。・・・こわすぎる。頼むから檻、倒れないでください、と祈りました。

そのあともグラマラスな女性による空中ロープショー、インディアンによる超絶鞭さばき、カウボーイのロープ芸、軽業ピエロの階段使ったジャグリング、手品、馬の芸、ラクダの芸、牛の芸・・・とにかくどんどん面白い芸が登場する。

映像とかレーザーとか音響とか、そんなテクノロジーなんていっさい頼らない肉体芸のオンパレード。だれが見たって面白いんですね。

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で、途中に一座の子供たちも軽業やジャグリング(めっちゃうまい)で登場するんですが・・・あの4歳児も出演!まったく芸ができないので、ただ腰を振って踊ってるだけなんだか、これがかわいい!まったくセクシーじゃないのに山本リンダを目指してるみたいで、えらいかわいかったです。

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さて、2時間ほどのサーカスを見終わって外に出るともう8時過ぎ。といってもフランスの時期はまだまだ明るい。静かな夕暮れの中に、サーカスの一座のみなさんが住むトレーラーハウスが駐車してました。これまたすごい。トランスフォームして壁が飛び出して家になる車です。

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たくさん登場する動物たちも、トレーラーハウスが家でした。上の写真にはライオンが住んでました。

僕がサーカスを見たのは小学校のときの「木下大サーカス」以来。なんとなく昔のイメージでサーカスを思い描いていたら、以外にもトレーラーハウスのようなシステムが近代化しててびっくりした。もしかしたら、あの家の中は、僕の家より広いかもしれないし、豪華かもしれない。

とはいえサーカスの一座は旅芸人。ひとつとことには定住しない、流れてゆく人生。ヨーロッパの厳格なキリスト教社会の中で、このノマドな人々の暮らしはアウトサイドだけれども、だからこそ非日常なものを見せてくれる、退屈な世界からの解放だったのかな?と思いました。

出演者がすべて家族、というのも強烈なドラマでした。例えば映画を見たとき、上映中はそのフィクションの世界にどっぷり浸りますが、終焉の会場の電気がついたとたん、現実にひきもどされます。しかしサーカスは、華やかなショーが終わっても、会場の外に家族の住む家や、動物たちや、テントがあって、ある家族の人生全体が見えてしまうのです。これはガツンとくるドラマです。ドラマじゃないんだけど。

いろんなことを考えさせられました。

例えば空中でロープ芸をしてたグラマーな女性は、たぶんお母ちゃんでしょう。そして下でそのロープを操ってたのはもしかするとお父ちゃんでしょう。お父ちゃんがロープさばきを間違えると首に巻きついて窒息死です。お母ちゃんも芸をミスすると墜落死です。ただただ、お互いの芸の鍛錬を信用してるからできること。

これはとてもあやういように思えるけど、逆にいえば、その芸があるかぎり食っていける。このことの、僕らクリエーターのような「フリーランス」の生き方と、何が違うのだろう。変わらないのではないか。

そしてサーカスは家族が結束してないとできない商売。社会から見ればアウトサイドにいるサーカスの一座はアウトサイドだからこそ、家族が力をあわせて結束している。定住して安定しているインサイドの社会の方が、家族関係が希薄だったりする。はたしてどっちがいいのだろうか。

4歳のちびっ子も、今は何もできないけど、やがてお兄ちゃんたちみたいにジャグリングがうまくなり、ライオンも操って、大人の女になったら、空中で華麗な肉体芸を見せるようになるのだろう。サーカスにはおじいちゃん、お父さん、こどもの親子三代が全部出演してるので、そんな一人の人間の長い人生も見えてしまう。

こうしたことが、すべて「では、サーカスと比較して、自分の人生はなんなのか?」という問いかけになる。これが深い。とても深い。よくサーカスにハマる人がいるというが、わかる気がする。華やかなショーの素晴らしさももちろんあるが、その余韻の中に、先の「問いかけ」があるのだ。この自問に惹かれて、またテントをくぐるのだろう。

芸術家である僕の人生はサーカスとそんなにかわらないと思う。現に今回のフランスも、旅芸人のように機材を抱えてやってきたし、おかしなマシンを見せるパフォーマンスで収入を得た。
たぶんこのパターンの暮らしは、一生つづくだろうし、定住とか安定にはまったく興味がない。
覚悟というと大げさだけど、それは例えば父親の人生とか、兄の人生とか見ながら育って、ああ、そういうもんだろうな、と小さい時から納得してしまったことなのだと思う。

サーカスは面白い。また機会があれば見てみたいと思いました。

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うりゃあ!展示の片付けだああ!

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さて展示も終わり、撤収作業をしたんですが・・・これがつらかった!今回は日本からの人員は僕と工員のODA君の二名。ODA君は英語も抜群、作業能力も抜群で、いわゆる「ひとりで一個師団を全滅させることができる男」なみにスキルがあるのだが、それでも彼と二人きりの撤収作業は大変でした。

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上写真が今回の梱包箱たちです。全部で巨大な箱が30箱。どうでしょうか、今回のミッションの過酷さが伝わるでしょうか・・。この中に製品を全部分解して納めなければならなかったのです。

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とはいえ!完全に二人きりではありませんでした。現地の屈曲なフランス男性たちにも手伝っていただきました。どうでしょう、上の写真。まるでリュック・ベッソンの映画に出てきそうな濃ゆい男たち。彼らが一日目は、ばしばし手伝ってくれました。

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そして二日目に手伝ってくれたのは、今度はさわやかなフレンチ草食男子たち。みなさんバンドやってるそうです。前日の濃ゆい男たちとのギャップがすごかったです。同じフランス人でもいろんな方がいるんですね。

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二日目は梱包して箱詰めという非常にデリケートな作業なので、フレンチ草食男子たちはばっちりでした。

とはいえ、最後の最後は、くわしい収納方法を知っている僕とODAくんのみの作業。やることがなくなったので、フレンチ草食男子たちも5時にはとっとと帰宅。

「社長・・・全身筋肉痛で、体が動きません・・・」

という遭難寸前のODAくんと二人、最後の梱包・箱詰めを行いました。この作業の模様をトゥギャッターでまとめたので、ごらんください。

>>こちら

がんばった甲斐があって、本来なら三日かかる撤収作業を二日で終えました。もう、最後は意地だったね。「明日は休みにするんだあ~!!」って。

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ベスーン「TRANSFORMER展」 最終日

 

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飛行機はどうなることかと思いましたが、無事にフランスに到着!そしてベスーンで行われている「TRANSFORMER展」の最終日を見てきました。実は展覧会が始まる前に帰国してしまったので、ちゃんとお客さんが入ってる展示を見るのは今回が初めて。

 

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会場はけっこう子供が多くて、オタマトーンジャンボが人気でした。上の少年は、その中でもオタマをえらく気に入ったらしく、父親が何度も帰ろう!といっても聞かず、オタマにしがみついて演奏してました。途中、僕になんか訴えてましたが、フランス語なのでまったくわかりませんでした。たぶん「おまえすげーな、おもしろいもの作ってんな。みとめるよ。また来いよシルブプレ」みたいな意味だったと思います(想像)。

 

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今回は明和電機の初期の「魚器(NAKI)シリーズ」から最新の「ボイスメカニクスシリーズ」まで全部もっていきました。最終日もあり、たくさんのお客さんがいらしてました。会場のくわしい模様は以下のYOUTUBEにアップしたスライドショーをごらんください。

 
   

 
 

この展覧会はグループ展で明和電機のほかに「芸術的な機械」を作る作家さんが出展していました。

 

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日本でもおなじみのテオ・ヤンセンさんの作品。塩ビパイプでできた生命体。展示中、じっくり細部を近くで見て、その作りのすばらしさにつくづく感心しました。日本の竹細工のような伝統芸能につうじる「手で考えた痕跡」が見えるマシンアートでした。

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チコ・マクマトリーさんの「トーテモバイル」。これもすごかった。フランスの車、シトロエンがトランスフォームして、巨大なトーテムポールに変形するというもの。工業製品が呪術的な彫刻にゆっくりかわる迫力は、いろんなことを考えさせられました。

 

こうした世界のナンセンスマシーンと一緒に明和電機の機械を展示できて、とても光栄でした。ほんといつも思いますが、日本にも変人はたくさんいますが、世界には同じくらい変人がたくさんいるんですね。

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「羽田発・フランス行き」なのに、成田空港に来てしまった!

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もうね。ビビリました。

昨日、フランス展の撤収のために、始発の成田エキスプレスにのって成田空港まできたんです。朝の五時に起きて、眠い目をこすりながら。で、搭乗手続きをしようと思い、受付カウンターにいってパスポートを出すと、カウンターの橋本(仮名)さんが、ちょっと怪訝そうな顔をしてモニター画面を見ている。

「お客様、搭乗機の案内をお持ちですか?」

と聞かれたので、なんだよお、ちゃんと航空券はありますよお、と眠い目をこすりながらフライト情報が載ったプリントアウトした紙を見せました。乗り遅れにないよう、何度もチェックした紙なので自信満々で。しかしそれを見た橋本さんが驚愕の発言。

「お客様・・・・成田発ではなくて・・・・羽田空港発ですね」。

おどろきのあまりアゴが落ちるというのがありますが、僕のアゴはこの瞬間、成田空港の頑丈なコンクリの床に突き刺さってたと思う。ま、ま、ま、まじですか!

これはたいへんやばい!今回はフランス展の撤収。僕が行かなければ、明和電機の製品たちは分解・梱包ができない。しまったあああああ!

とにかくなんとかなりませんか?と半泣き状態でANAの橋本さんにすがりました。その辺りのパニック状況をツイッターで実況したんですが、それを眺めていたフォローのみなさんから、続々とアドバイス、励ましのお便りが。あとで読んであまりにみなさんのコメントが心温まるので、こちらでまとめてみました。


こちらからどうぞ!

結果的には、橋本(仮名)、ANAのご尽力のおかげで。、成田発の便に変更していただきました。本当に感謝です!

とにかく海外遠征が多い明和ですが、「海外=成田」という図式がなんの疑いもなくこびりついていました。フランスだし。北京経由とはいえ、まさか羽田空港から飛べるとは思ってもいませんでした。

そしてご心配をおかけましました!

ほんと、みなさまもお気をつけくださいね!

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ストレンジボイス 進行台本公開!

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昨晩の「ストレンジボイス~奇妙な声の実験室~」、ほんと面白かったです。いろんなジャンルのみなさんがクロスオーバーして「声」にまつわる表現や研究発表。まったく違うジャンルだからこそ、交差したときの脳への刺激がたまらなかった。

イベントを終えて、思考が整理できるかなとおもいきや、さらにいろいろ考えるべきことが増えました。やっぱり山登りと一緒で、高いところへ登るとそれだけ見えるものが増えて、さらに思考が深まるのですね。

昇華した考えは、順次ブログで発表していきます。

とりあえずは、昨晩の感動を補足するアイテムとして、このイベントのために僕が描いた進行台本をアップロードします。この台本を見た出演者の三輪さんに、「脳細胞のムダ使い」と言われてしまいましたが・・・。ビジュアル化しないと、全体がつかめないんです!定食屋の店先に並んでるロウ細工のサンプル見ないと、昼ごはん決めれないのと一緒なんです!

なーんとなく昨晩のイベントの内容がおわかりいただけるのでは?本番を劇場、またはニコ生で見た(=なんと28000人)みなさんは、台本と本番の違いを楽しんでください! PDFファイルでアップします!

STRANGEVOICE.pdfをダウンロード

本当に、ご参加くださった出演者のみなさま。ありがとうございました!

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植木等がボーカロイド! 【ストレンジボイス/006】

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ストレンジボイス、ニコ生で配信が決まりました!

昨晩、ぼんやりツイッターを見ていたら、衝撃のニュースが。

「植木等がボーカロイドに!」

えええ!

ついに故人がボーカロイドで復活する時代がきたのか・・・感涙。

この辺の大騒ぎを、トゥギャッターでまとめました。こちらの方が
臨場感があるので、ご覧ください。

http://togetter.com/li/165811

未来だなあ・・・。

【ストレンジボイス/memo 000】   ストレンジボイス イベントの概要
【ストレンジボイス/memo 001 音楽情報処理研究ってなに?
【ストレンジボイス/memo 002】   ストレンジボイスとCGM

【ストレンジボイス/memo 003】 AFRAさんがアトリエにやってきた!

【ストレンジボイス/memo 004】 まぼろしの歌をエジソンに歌わせてみた

ストレンジボイス/memo 005】 歌はこころよりも技術?



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「歌はこころよりも技術?」 【ストレンジボイス/memo005】

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最近「歌と心の関係」について書いた原稿がボツになったんですが、もったいないのでブログに記載します!

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「歌はこころよりも技術?」

カラオケに行って歌を歌うのは楽しいものです。しかし最近は歌うと採点が出る機械がカラオケボックスにあったりして、「うまく歌わなきゃ・・」とプレッシャーがかかります。では「歌がうまい」とはなんでしょうか?「そんなの、こころがこもっているかどうかです!」という意見があります。ごもっともです。けれど、こころをこめて熱唱してるはずの上司の歌に、耳をふさぎたくなることもありませんか?いったい「こころ」と「歌のうまさ」の関係はどうなってるのでしょう?

◆人間の歌も「楽器」である
ではいったん「歌は“こころ”」という考えを置いといて、「歌は“楽器”」という視点で考えてみます。楽器にはかならずブルブルとふるえて「音」を作りだす発音体があります。ピアノだったら「弦」、サックスだったら「リード(弁)」です。「歌」の場合は喉にある「声帯」がそれです。声帯はちょうど薄い膜が二枚並んでいるような形をしています。そこに肺から送られた空気が通ると振動で「ビーッ」という音が生まれます。この音がのどを通って口の中にたどり着き、舌や歯や唇といった壁を通るときに、「ラ」とか「ザ」とか「パ」などの音に加工され、いろんな「音色」が作られます。また、楽器にとって大事なのが、ドレミファソラシド・・・と変化する「音程(ピッチ)」ですが、声帯はつながっている筋肉のひっぱりぐあいで音程(ピッチ)を変えます。これは指にはめた輪ゴムをはじきながら見っぱると、だんだん音が高くなるのと同じしくみです。

◆歌うしくみは音痴にできている
さて、ピアノやサックスは、「ここを押せばドの音が出る!」と決まっています。なのでだれが演奏しても、正しい音程が出ます。ところが、「歌」の場合、声帯の筋肉の“適当な”ひっぱりぐあいで音程が決まります。どこが「ド」かなんてぜんぜん決まっていないのです。つまり「歌」はしくみそのものが音痴なんです。「ああ、自分は音痴だ・・・」と悩んでいたみなさん、ご安心ください!それがナチュラルなのです! とはいえ、やっぱり世の中には歌がうまい人がいます。理由は耳がいいからです。自分が出した声を耳で聞いて、間違っていたら正しい音程に修正する脳が発達しているのです。これを「フィードバック」といいます。つまり「声を出すほう」に加えて「声を聞くほう」が発達しているのです。カラオケが一発でうまくなる方法で、「バケツをかぶる」というのがありますが、これは自分の出した声がよく耳で聞こえるようにフィードバックをバケツで作っているからです。

    

◆心がない歌に感動する?
さて明和電機は、こうした人間の歌うしくみをそのまま機械におきかえて、人間のように歌うロボット、「セーモンズ(SEAMOONS)」を作りました。「声帯>ゴム」、「筋肉>モーター」「耳>マイク」「脳>コンピューター」とすべて置き換えてあります。この「セーモンズ」がコンサートで「ア~ア~」と歌うと、お客様の中で感動して涙する方がいました。それを見て僕はあれ?と思いました。セーモンズは機械なので「こころ」がありません。けれどその歌に人間の「こころ」が感動しているのです。そこで僕はこう思いました。「人は歌のこころに感動するのではない。こころを表現する“技術”に感動するのだ」と。

考えてみれば、芸術家は、無機質な絵具や石や木を使って「まるでこころがあるような」絵や彫刻を作ります。それができるのは彼らがこころを表現する「技術」をもっているからです。歌は肉体そのものから発するものなので、なんとなく感情に近いものに思えますが、絵画や彫刻と同じような“客体物”として見るならば、感動を作るには、やはりこころとは切り離して作り上げる技術が重要になります。歌うロボットを作る面白さはその「こころ」と「技術」の境目を見ることができることです。

とはいえ、カラオケで熱唱してる上司に、「部長、カラオケはこころじゃないですよ、技術ですよ!」と言ってはいけませんよ。それは上司のこころを逆なでしますからね!

・・・・・・・・・・・・・・・

この内容、実は以前にブログで書きました。ご興味のある方はどうぞ!

オタマトーンの声の出るしくみ

歌と感情と機械

声の呪術性と機能性について


なぜ歌う機械を作るのか

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【ストレンジボイス/memo 003】 AFRAさんがアトリエにやってきた!

【ストレンジボイス/memo 004】 まぼろしの歌をエジソンに歌わせてみた

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まぼろしの歌をエジソンに歌わせてみた  【ストレンジボイス/memo004】

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「世界最初に録音された歌は?」と聞かれれば、そりゃあエジソンの「メリーさんの羊」でしょう!と答えます。

「じゃあどんな歌声でした?」と聞かれれば・・・・あれ?・・たしか昔、どこかの科学館で聞いたことがあるような・・とかなり記憶があやしくなる。そこでネットでいろいろ調べると、1877年に吹き込まれた歌声は残ってないようです。僕の勘違い。歌った記録が残ってるだけなんですね。

なーんだ、残念と思ってたんですが、よくよく調べると歌は残ってないけれど、「メリーさんの羊の朗読」は残っていたようです。

エジソンの朗読の音声データ

これは面白い!と思ったんですが、僕の英語力ではぜんぶ聴き取れない。そこでツイッターで「誰か聴きとれますか?」とお願いしたところ、数人の方が聴きとってくれました。ありがとうございます!それによると、

The first words I spoke in the original phonograph.  A little piece of
practical poetry.
Mary had a little lamb.  Its fleece was white as
snow.  And everywhere that Mary went, the lamb was sure to go.

だそうです。詩の部分はマザーグースだったんですね。
この詩を見ると、歌の「メリーさんの羊」と歌詞は違いますが、

Mary had a little lamb.  Its fleece was white as
snow.

の部分はまったく一緒。そこでヒラめきました。

「この朗読をいじくれば、エジソンにまぼろしの”メリーさんの羊”を歌わせることができるんじゃない?」

そこでご愛用のフリーの波形編集ソフト「Audacity」をいじくって、無理やり歌わせてみました。

エジソンの歌う「メリーさんの羊」のデータ

・・・かなり無理やりです。なんか後半HIPHOPみたいになってるし。世間には音程補正ソフトとかたくさんあるから、おひまな方はぜひもっと上手に歌わせてみてください!

にしてもこの作業で2時間もかかってしまいました。近い将来はもっと簡単に会話のデータから歌声を合成できるようになるはずです。音楽情報処理研究の後藤先生も言ってましたし!そうなれば、いろんな偉人さんに歌を歌わせることができるので、けっこう楽しいでしょうねー。

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【ストレンジボイス/memo 003】 AFRAさんがアトリエにやってきた!

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「明和電機ライブツアー2011 ボイスメカニクス」 詳細決定!!



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おまたせいたしました!明和電機7年ぶりのライブツアー、詳細が決定しましたのでご報告いたします!

東京、大阪、岡山(津山)、島根、高知、福岡、でございます。

(東北方面は現在、検討中です!)

今回のテーマは「声」。これまで開発してまいりました「声系・ナンセンスマシーン」に新たな新製品を加え、往年の明和電機の名曲から近年の珍曲までを演奏する、感電&感動のメカニカルショーでございます。

なつかしのアナタも、未だかつて明和電機を見たことがないアナタも、一度見といた方がいいです。奇妙ですよ~。

■東京

・とき:10月16日(日)   開場13:30  /  開演14:00

・会場:品川よしもとプリンスシアター 
(東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル アネックスタワー3Fクラブ) http://www.yoshimoto.co.jp/ypt/

・チケット料金(全席指定):前売り¥3500 当日¥4,000
   ※8月15日(月)チケット一般発売開始(明和電機共同組合の先行発売あり)
・チケット取り扱い
    ・チケットよしもと/ 0570-041-489(自動応答システム)
               0570-041-356(受付時間10:00~18:00)
    ・チケットぴあ /   0570-02-9999  Pコード:597-791
    ・ローソンチケット/ 0570-084-003 Lコード:32064
                0570-000-407(オペレータ対応) 
    ・CNプレイガイド / 0570-08-9999
 ◎問合せ先:チケットよしもと: TEL 0570-036-912(受付時間 10:00~19:00)
                     ※チケットのご予約は承れません

■大阪

・とき:10月19日(水)  開場18:30 / 開演19:00

・会場:5upよしもと (大阪市中央区難波千日前12-7 YES・NAMBAビル5F)
 http://www.yoshimoto.co.jp/5up/

・チケット料金(全席指定): 前売り¥3500 当日¥4,000
      ※8月15日(月)チケット一般発売開始(明和電機共同組合の先行発売あり)
・チケット取り扱い:近日発表予定

■高知

・とき:10月20日(木)  開場18:30 / 開演19:00

・会場:高新RKCホール  (高知新聞放送会館6F
http://www.kochi-sk.co.jp/event/

・チケット料金(全席自由/先行発売分のみ予約席):
    前売り¥3500 当日¥4,000
※8月26日(金)チケット一般発売開始(明和電機共同組合、高知新聞の先行発売あり)
・チケット取り扱い
・ 高新プレイガイド 088-825-4335
・ 県立美術館ミュージアムショップ 088-866-8118
・ 高知市文化プラザミュージアムショップ 088-883-5052
・ デュークショップ 088-825-2505
・問合せ先:高知新聞企業 事業企画部

■島根

・とき:10月23日(日)  開場13:30  /  開演14:00

・会場:雲南市加茂文化ホール ラメール (島根県雲南市加茂町宇治303)
    http://www.lamer-unnan.com

・チケット料金(全席指定)  
1階席:一般3,000円 高校生以下1,500円
2階席:一般2,500円
※託児あり(無料/要予約)
※ 高校生は公演当日生徒手帳をお持ちください。
※8月6日(土)チケット一般発売開始(明和電機共同組合、メール会員の先行発売あり)
◎チケット取り扱い
  ・イープラス (PC/携帯) http://eplus.jp  (直接購入)ファミリーマート
  ・雲南: ラメール  (0854)49-8500、 
チェリヴァホール (0854)42-1155
松江: 文化情報コーナー (0852)22-5556、
プラバホール  (0852)27-6000、
タカキ楽器店  (0852)21-4509、
今井書店グループセンター店STUDIO WONDER   (0852)20-8686
出雲: 出雲市民会館(0853)24-1212
アツタ楽器(0853)22-7322
◎問合せ先: 雲南市加茂文化ホール ラメール  TEL 0854-49-8500

■福岡

・とき:10月24日(月)  開場18:30 / 開演19:00

・会場:イムズホール
     (福岡市中央区天神1-7-11イムズ9F)

◎チケット料金(全席指定):前売り¥3500
   ※8月15日(月)チケット一般発売開始(明和電機共同組合の先行発売あり)
◎チケット取り扱い:
   ・チケットぴあ 0570-02-9999 /Pコード:145- 503 
・ローソンチケット 0570-084-008 Lコード:89929               
             0570-000-407(オペレータ対応)
◎問合せ先:

■津山

・とき:11月5日(土)開場18:30 / 開演19:00
     11月6日(日)開場13:30 / 開演14:00

・会場:グリーンヒルズ津山
       (岡山県津山市大田920)

・チケット料金(全席自由
   一般:   前売¥3,000 当日¥3,500
   学生(中・高校生): 前売¥2,000 当日¥2,500
  小学生:  前売¥1,000 当日¥1,500
  ※ 学生は公演当日学生証をお持ちください。
  ※8月15日(月)チケット一般発売開始(明和電機共同組合の先行発売あり)
・チケット取り扱い
吉田楽器 (0868)23-4000
平和堂楽器店 (0868)23-5266
ピアノ工房アムズ (0868)27-2100
着物の店ちんがらや (0868)22-2427
ベルフォーレ津山 (0868)31-2525
津山市勝北文化センター (0868)36-7121
津山市加茂町文化センター (0868)42-7031
津山文化センター (0868)22-7111
久世エスパスセンター (0867)42-7000
美作ブックセンター (0868)72-6110
◎問い合わせ先:

































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AFRAさんがアトリエにきた! 【ストレンジボイス/memo003】

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ヒューマンビートボクサーのAFRAさんが、先日明和電機のアトリエに打合せでいらっしゃった。YOUTUBE動画ではさんざん見まくったビートボックスであったが、生まれて初めてプロの方の音を生で聞いた。

・・・・びっくりした。

なににビックリしたかというと、まずその音色。めちゃくちゃきれいな音なのである。1メートルくらいの至近距離で聞かせてもらったのだが、例えばドラムのハイハットの音など、「え?人間が出してるの?GM音源じゃなくて?」っていうくらい澄んだ音なのである。とにかくひとつひとつの音のキャラクターがしっかりしてる。まずそれにビックリした。

次にビックリしたのがリズムキープ。これまた、もたりも、走りもしない。すごく正確なのである。プロだから当たり前なのでしょうが、楽器として、またプレイヤーとして、なんと安心の演奏。

それがマイク一本できるわけですからねー。ほんと明和電機の電動ドラムマシンの物量に比べると、なんと地球にやさしいことか。

「華氏451」という映画で、本を読むことを禁止された未来社会で、本の内容をすべて暗記した人々が住む村のシーンがあったけど・・・なんかあの風景を思い出しました。



さて、打合せのあと、AFRAさんに無理やり頼んで、オタマトーンジャンボと一緒にセッション(?)をしてもらった。もー、やりたくてしかたなかったんです!だっておもしろそうじゃないですか!

で、上の動画。練習なしで、いきなり合わせていただいたんですが・・・・・ここでもやっぱりビックリ。僕のデタラメな演奏に、見事にあわしてくれる。なんじゃあ!この安心感は!「アニキ、大船に乗ったつもりで、こっちは自由にやらしてもらいヤス!」って感じです。これまで、さまざななミュージシャンとコラボレーションをしてこられた経験のすごさ。

おもしろかったなあ・・・・。

AFRAさんはとてもノリがよく、「ストレンジボイス」の当日も、かなりアドリブでいろんな演奏に絡んでくれるそうです。僕もそういう「現場対応」が大好きなので、一緒に遊ばさせいただきます!

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